苦労

  
秋は特に美味しいものが多いと相方が言う。
枝付きの黒豆を硬めに茹でる。
少し多めの塩加減、ほんの2・3分で火を止める。
さやから勢いよく飛び出たのはぷりぷりの黒豆。
薄皮を剝くのに30分強。
緑が鮮やか過ぎるほど美しい。
土鍋で炊いた御飯にささっと絡ませると出来上がり。
硬めの歯応えが何とも言えず美味。
ある日には茹で水に浸した栗を剝く。
栗の皮と葛藤し手が力尽きそうになり1時間強。
もうこれが最初で最後だと言い聞かせ剝く。
塩を効かせお米と炊くと出来上がり。
ほくほく甘さが広がる満足な出来栄えだ。
・・・相方よ苦労あってこその美味しさなんだよ。